ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 見かねたマルが手伝いを申し出た。これって、家妖精の仕事の範疇に含まれるのだろうか。

「大丈夫?」
「問題ない!」

 空になった瓶の蓋を開けたまま、適当にその場に並べていく。井戸の縁によじのぼったマルは、背中の羽根を広げた。街にいる間、普段は隠している羽根が、ピンと立つ。

「――行くよ!」

 次の瞬間、井戸の水が空高く吹き上がった。かと思うと、空中で何十本もの束に分かれ、そのまま瓶に吸い込まれていく。
 あっという間に並べられた瓶は空になった。

「――えええええいっ!」

 普段より気合を入れて、シアは右手を振り上げる。シアの右手が輝いたかと思ったら、今度は光の束が瓶に吸い込まれていった。
 ベラが、その様子を茫然と見ているのにシアは気付いていなかった。
 はぁ、と肩で息をつく。これだけの量を一度に作ると、さすがにちょっと魔力を持っていかれる。

「回復ポーションできた! 配って!」

 その辺りに投げ捨てられていた瓶の栓は、マルの手によって回収された。スポン、スポンと瓶の栓がはまっていく。多少揺さぶられたり横倒しになったりしたとしても、これなら問題ない。

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