ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 魔物を召喚する術があるということ。
 魔物を生み出すための核を用意し、そこに瘴気を集める。そして、その核を発動させれば瘴気が動物に取り憑くことなく魔物となって現れる。
 魔物を呼び出すなんて、かなり高度な――いや、ものすごく高度な魔術である。
 それを使える人が、そうたくさんいるとも思えないのだが、たしかに魔物達の向こう側に嫌な気配がある。

(あの場所まで、見に行くことができればいいのに)

 そうしたら、核を破壊できる。いや、シアはそうすべきなのだ。けれど、あそこまで自力でたどり着く自信はない。

「シア、お前なんでここにいる?」
「エドさん、怪我してる! ポーションは?」

 城壁の上で様子を見ていたシアのところまで上ってきたエドは、左腕を押さえていた。魔物の牙か爪でやられたらしい。
 よく見れば、彼の服も防具もボロボロで、最前線で激しく戦ってきたのであろうことが見て取れた。

(……無事に戻ってくれてよかった――けれど)

 エドが無事でよかったことに安堵するが、核がある以上、そこに集められている瘴気が完全に失われるまで、魔物はこの街を襲い続けるだろう。

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