ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「馬鹿だねー、飾りっ気がないって言ってるの。上の服、可愛くなかった?」
「すごく! ものすごく! 可愛かった、けど!」

 正直なところ、袖を通してみたい誘惑にはかられた。聖女として祠にいた頃は、定められた衣以外身に着けることを許されていなかったので。
 この国に来てから自分で服を買うようになったけれど、そもそもファッションセンスなんて持ち合わせてない。
 とりあえずみっともなくなければいいな、とか、マルがいいって言ってくれればそれでよしという程度で服を決めていたので、おしゃれではない自覚はある。

(……あの時、もうちょっとおしゃれしてたらよかったって思ったのは否定できないけど)

 思い出すのは、エドとカフェに行った時のこと。
 あの時は、周囲の女の子達がキラキラとまぶしく見えていて、自分の質素な服装が恥ずかしくなったものだった。
 ――すぐにそれ以外のことで頭がいっぱいになったので、恥ずかしいと思ったのはあの時だけのことだったのだが。
 もし、あのピンクのワンピースなら、あの店に行くエドについていっても、さほど違和感はないだろう。隣に並んでいても、自然に見える気がする。

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