ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 と、棚のポーションを眺めているが、エドが欲しがっているのは傷を回復させるポーションだけである。シアのポーションならもっといい。
 国王でありながら、最前線に突っ込んでいくのはどうかという苦言は、嫌になるほど何回も与えられてきた。
 だが、この国はまだ弱い。国王自ら剣を取らなければ、民を守れないほどに。
 幸い、エドには有能な弟がいる。なにかあっても、弟に未来を託すことができると思えば、安心だ。

「このポーションを頼む」
「シアのじゃなくていいのかい?」
「まだ、一本持っているからな。他のやつもシアのポーションなら欲しいだろ」

 と、ベラの方を見ずに言った。あの時もらったポーションは、とても役に立った。
 耳が熱くなったのを、ベラに気付かれていなければいいのだが。どうも彼女は必要以上に鋭く、エドが気付いてほしくないと思っているところを適切につついてくる傾向にある。

「エドさん、王様からご褒美もらいました?」
「え? あ、ああ。もらった」

 不意に問われて、少し声が上ずった。
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