ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「あー、私は……」

 そろっとシアは、今着ているワンピースを指さした。

「これをいただきました。お金はいらないって言ったんですけど」

 女性には身に着ける品を贈るといいと聞いたが、〝ヴィニーシア〟ならばともかく〝シア〟にドレスや宝石を贈るわけにもいかない。
 シアが身に着けてもおかしくないようなものを何着か贈らせてもらった。
 今身に着けているピンクのワンピースはエドが贈ったものであるけれど、シアはエドとエヴァンドロが同一人物と知らないのだから、ここは何を褒美にもらったか、聞く方が自然だ。

「――似合ってると思う」

 そう口にしたのは、素直な賞賛。その言葉を聞いたシアは、照れたように笑った。

(こんな表情もするんだな)

 今まで、一度もシアのこんな顔は見たことがなかった――手を伸ばしかけ、その手を元に戻す。
 ベラがにやにやしているのに気付いたからではない。自分の立場を思い出したからだ。

(なにを考えているんだ)

 シアに手を伸ばしたところで、受け入れてもらえるはずなどないのに。
 冒険者のエドとして街に出ているので、ヨアキムも友人としての対応を取る。

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