ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
 昼の間はずっと聖女としての衣を身に着けていたから、そのままの服装でいようと決めた。
 それにしても、セアルド王国はケチくさいって話になってもいいんだろうか。まともな嫁入り支度すら用意していない。
 ――それとも。
 エヴァンドロのことを馬鹿にしているのだろうか。ジュスランは、呪われているという相手のことを見下した発言をしていたし。
 なにはともあれ、あまり悪い扱いをされなければいいなと思うだけ。
 けれど、事態はシアの予想をはるかに超えていた。
 王宮の門の前で、護衛の騎士達と王宮で働いているらしい身なりのいい青年との間で口論が発生したのである。当然シアは聞き耳を立てた。

「結婚相手が来るとは聞いていない。というか、陛下は結婚のご予定はない」
「しかし、我々は聖女様を王妃としてこの国の国王の元に送り届けるという役目を負っているのです。役目を果たすなと言うのですか」

 盗み聞きして後悔した。思っていた以上に面倒なことになっている。王妃はいらないってどういうことだ。

「私、帰っていいかな」
「帰るってどこに」

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