ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「ううん、なんでもない。離宮で暮らしていいよって言われたんだもの。少しずつ、ここを快適な場所にしていかないとね」
あの人達のことは忘れると決めた。ヴィニーシア・エクスレイはもういない。ここにいるのは、元セアルド王国の聖女だったシア。それだけだ。
両手を腰に当てて、玄関ホールを見回す。
先程までは陰鬱な空気が漂っているように思えたけれど、シアの気のせいか、いくぶん明るくなったように思えた。
* * *
(……なんだったんだ、今のは)
ヨアキムに連れていかれるシアを見送るなり、エヴァンドロは椅子の背もたれに背中を預けた。身体が重い――いつだって、エヴァンドロは疲労と戦っていた。
呪いを受けたのは五年ほど前のこと。常に身体が重いだけではない。夜、安眠することもできないのだ。
夢の中でエヴァンドロはずっと戦い続けている。
目に見えないなにかとずっと。夢の中でも気を張っているからか、朝目が覚めた瞬間、さらに疲労が重ねられるような気がするのだ。
戦のように身体を酷使することが続けば、時には血を吐くこともある。
あの人達のことは忘れると決めた。ヴィニーシア・エクスレイはもういない。ここにいるのは、元セアルド王国の聖女だったシア。それだけだ。
両手を腰に当てて、玄関ホールを見回す。
先程までは陰鬱な空気が漂っているように思えたけれど、シアの気のせいか、いくぶん明るくなったように思えた。
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(……なんだったんだ、今のは)
ヨアキムに連れていかれるシアを見送るなり、エヴァンドロは椅子の背もたれに背中を預けた。身体が重い――いつだって、エヴァンドロは疲労と戦っていた。
呪いを受けたのは五年ほど前のこと。常に身体が重いだけではない。夜、安眠することもできないのだ。
夢の中でエヴァンドロはずっと戦い続けている。
目に見えないなにかとずっと。夢の中でも気を張っているからか、朝目が覚めた瞬間、さらに疲労が重ねられるような気がするのだ。
戦のように身体を酷使することが続けば、時には血を吐くこともある。