ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「あんた田舎から出てきたばかりでしょう。アロイスは、あんたのポーションを買いたたこうとしていたというわけ。うちはあんたのポーションを銀貨四枚と銅貨五枚で売るつもり」
「そんなに?」
「だって、このポーションは性能がいいからね。もっと高く引き取ってくれるところがあるかもって心配になるなら、よその店を見てくる?」

 シアがいくらで卸すかだけではなく、店でどの値段で売るかまで先に教えてくれるとは、この人はいい人に違いない。
 ――でも。
 アロイスだって、最初はいい人そうに見えたではないか。

「……そうですね、見せてもらえると嬉しいです」
「あはは、急に用心深くなったね。でもそれで正解。うちに卸す気になったら、改めておいで」

 でも――と、いくぶん用心したのは、アロイスとの一件があったからだ。慎重になった方がいい。

「ごめんなさい、そうさせてもらいますね」

 詫びの言葉を口にしてから、ベラの店を出る。

(たぶん、ベラさんにお任せするのが一番いいんだろうけど)

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