ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「そうですね……一度に、十本くらいなら」

 このくらいでどうだろうと思いながら言ってみた。十という言葉に、ベラは視線を天井にやった。ちょっと少なかっただろうか。

「どのくらいの頻度で来られる?」
「毎日はちょっと無理……かな。三日に一度くらいなら」

 よし、とベラは手を打ち合わせた。

「あんた、名前は?」
「あ、ええと……シア、シアです」

 本名ヴィニーシアを名乗るつもりはもうなかった。聖女の祠で暮らしていた間に、家族との縁は完全に切れていたから。

「ポーションを作る以外の仕事は? ひとりで住んでるの?」
「え、ええと」

 一度に言われても目が回りそうになってしまう。あまり詳しいことは話したくないけれど、ベラに嘘はつきたくない。

「親戚の家でお世話になっていて。あ、その人は別のところに住んでいて、部屋だけ借りてるんですけど」
「なるほど。この辺りは家賃が高いもんね。住むとこあるならよかったわ」

 親戚じゃなくて、夫的な存在になるはずだった人なのだろうが、詳しいことは説明しなくてもまあいいか。
< 61 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop