ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!~10回殺され追放されたので、今世は自由気ままな人生を満喫してもいいですよね?~
「――この間、このポーションのおかげで友人の命が助かったんだ。礼を言う」
「よかった。冒険者は命がけですもんね」
「そうだな。できるだけ、事前の準備はしておいた方がいい」

 と、シアの手に料金を置いてから相手は気付いたようだった。

「俺の名はエド。一級冒険者で、そこそこ名が知られていると思う。相棒のアキと組んでいるから、そのうちアキの方もここに来るかもな」
「エドさんですね。覚えておきます」

 と言ったら、エドは驚いた様子だった。彼は、シアの顔をまじまじと見ている。なにか、いけないことを言ってしまっただろうか。

「覚えておく?」
「だって、ラベルがついてから最初のお客さんですもんね。印象深いですよ」
「そうか、そういう意味か――ありがとう、シア」
「どういたしまして。それと、お買い上げ、ありがとうございます」

 また、チリンとベルの音をさせて、エドは店を出ていく。エドが店を出てふたりきりになるなり、マルは仏頂面になった。

「なーにさ、デレデレしちゃって。若い男に誉められてそんなに嬉しかった?」
「別に、そういうわけじゃなくて――あの人、見覚えがあるのよねぇ、どこで見たんだろ」

 この店じゃないのは確実だ。
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