オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「……冬馬……一度しか言わない。……お前は信じないかもしれないが、……理恵子とのことは本気だった。……あと、山下賢一は、明香の父親だ。俺もそれ以上は知らない」
幸之助は、2本目のタバコに火をつけた。
「じゃあ……何で母さんを捨てたんだよ!」
理恵子は、幸之助と別れた後、男性関係が、激しくなったらしい。それこそいつも、違う顔の男を連れていた。俺の記憶はうろ覚えだが、葬式の時に遠い親戚だという女性がそう話していたのを、思い出す。
「……俺は、政略結婚だった春樹の母、由希と別れて、理恵子と結婚するつもりだった。だが、ある日突然、理恵子は姿を、消した。……理恵子が死んでから、俺は、理恵子がお前を身籠もっていたことを知った。母子手帳の父親欄が、俺の名前になってたことから、理恵子の死後、役所から俺に連絡が、入ったんだ。そこで5歳のお前と、3歳の明香に初めて会った」
幸之助は、鍵付きのデスクの一番上から、古びた白い封筒を、取り出した。
「理恵子の病室に置いてあった、俺への手紙だ」
俺は受け取ると、黙って、封筒から手紙を取り出す。
理恵子は、この手紙を書いた時、すでに具合がかなり悪かったのか、所々文字が震えている。
手紙には、自分勝手だが、余命いくばくない自分に代わり子供達を頼みたい。という旨が丁寧な筆致で、簡素に書かれていた。
最後は
『幸之助さん、沢山愛してくれて有難う。私は本当に幸せでした、冬馬と明香を頼みます』
と締め括られていた。母の筆跡は初めて見たかもしれない。母も幸之助のことは、本気だったのかもしれない。死にゆく自分の我が子を、託す手紙を書くなんて……。
それでも俺は……煮えたぎるような怒りしか目の前の男には湧かない。
「ま、結局俺は、誰も幸せにしてやれなかった訳だ……」
幸之助が、自分に言い聞かすように、そう言葉を吐き出した。
俺は、手紙をグシャリと、握りしめた。
幸之助は、2本目のタバコに火をつけた。
「じゃあ……何で母さんを捨てたんだよ!」
理恵子は、幸之助と別れた後、男性関係が、激しくなったらしい。それこそいつも、違う顔の男を連れていた。俺の記憶はうろ覚えだが、葬式の時に遠い親戚だという女性がそう話していたのを、思い出す。
「……俺は、政略結婚だった春樹の母、由希と別れて、理恵子と結婚するつもりだった。だが、ある日突然、理恵子は姿を、消した。……理恵子が死んでから、俺は、理恵子がお前を身籠もっていたことを知った。母子手帳の父親欄が、俺の名前になってたことから、理恵子の死後、役所から俺に連絡が、入ったんだ。そこで5歳のお前と、3歳の明香に初めて会った」
幸之助は、鍵付きのデスクの一番上から、古びた白い封筒を、取り出した。
「理恵子の病室に置いてあった、俺への手紙だ」
俺は受け取ると、黙って、封筒から手紙を取り出す。
理恵子は、この手紙を書いた時、すでに具合がかなり悪かったのか、所々文字が震えている。
手紙には、自分勝手だが、余命いくばくない自分に代わり子供達を頼みたい。という旨が丁寧な筆致で、簡素に書かれていた。
最後は
『幸之助さん、沢山愛してくれて有難う。私は本当に幸せでした、冬馬と明香を頼みます』
と締め括られていた。母の筆跡は初めて見たかもしれない。母も幸之助のことは、本気だったのかもしれない。死にゆく自分の我が子を、託す手紙を書くなんて……。
それでも俺は……煮えたぎるような怒りしか目の前の男には湧かない。
「ま、結局俺は、誰も幸せにしてやれなかった訳だ……」
幸之助が、自分に言い聞かすように、そう言葉を吐き出した。
俺は、手紙をグシャリと、握りしめた。