オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
冬馬は、随分前に春樹と三人で、よく行ったオムライスの専門店の扉を開けた。
ランチライムを、過ぎているからか、店には、年配のご夫婦が、座っているだけだ。
冬馬が、店の端のテーブル席に腰掛けて、私も真向かいに座った。
「どれにすんの?」
冬馬は、メニューを私に差し出すと、いつもみたいにぶっきらぼうに、言った。
「トマトとチーズのオムライス」
指先した私に、冬馬が、ぷっと笑った。
「ほんと、変なとこ一択だよな」
冬馬の笑った顔を、久しぶりに見た私は、心臓が、とくんと鳴った。
冬馬が、笑うだけで、何でこんな幸せな気持ちになるんだろう。
「こんだけメニューあんだからさ、他のも食ってみればいいだろ?」
「そういう冬馬だって、いっつもデミグラスのオムライスしか食べないじゃん。私だって、よそ見しないもん」
そこまで言って、しまったと思った。
冬馬への思いが叶わなくて、春樹の優しさに甘えてる私は、よそ見ばかりだ。
本当は、冬馬だけを見ていたいのに。冬馬しか見ていたくないのに。
会えば、一度捨て去ろうとした想いは、いとも簡単にまた心の中を占拠する。
どうして、冬馬を愛しちゃいけないんだろう。
またそんな考えても仕方ないことが、頭をよぎる自分が嫌になる。
「……これからも春樹だけ見て、よそ見すんなよ」
冬馬は、店員にオーダーを入れると、煙草に火をつけた。
「うん……」
返事と一緒に涙が転がって、慌てて目元を拭う。
冬馬が、小さく笑って呟いた。
「もっと前にさ……どっか……行ってしまえれば良かったのかな……」
どこでもいい。冬馬と一緒なら。
何にもいらないの。
冬馬の側にいられたら、それだけで幸せなのに。
「……どこでもいい」
冬馬の目が、見開かれるのが分かった。
「今からじゃ……だめ?」
「……ごめん、いまの無し。……悪かった……春樹となら大丈夫だから」
ランチライムを、過ぎているからか、店には、年配のご夫婦が、座っているだけだ。
冬馬が、店の端のテーブル席に腰掛けて、私も真向かいに座った。
「どれにすんの?」
冬馬は、メニューを私に差し出すと、いつもみたいにぶっきらぼうに、言った。
「トマトとチーズのオムライス」
指先した私に、冬馬が、ぷっと笑った。
「ほんと、変なとこ一択だよな」
冬馬の笑った顔を、久しぶりに見た私は、心臓が、とくんと鳴った。
冬馬が、笑うだけで、何でこんな幸せな気持ちになるんだろう。
「こんだけメニューあんだからさ、他のも食ってみればいいだろ?」
「そういう冬馬だって、いっつもデミグラスのオムライスしか食べないじゃん。私だって、よそ見しないもん」
そこまで言って、しまったと思った。
冬馬への思いが叶わなくて、春樹の優しさに甘えてる私は、よそ見ばかりだ。
本当は、冬馬だけを見ていたいのに。冬馬しか見ていたくないのに。
会えば、一度捨て去ろうとした想いは、いとも簡単にまた心の中を占拠する。
どうして、冬馬を愛しちゃいけないんだろう。
またそんな考えても仕方ないことが、頭をよぎる自分が嫌になる。
「……これからも春樹だけ見て、よそ見すんなよ」
冬馬は、店員にオーダーを入れると、煙草に火をつけた。
「うん……」
返事と一緒に涙が転がって、慌てて目元を拭う。
冬馬が、小さく笑って呟いた。
「もっと前にさ……どっか……行ってしまえれば良かったのかな……」
どこでもいい。冬馬と一緒なら。
何にもいらないの。
冬馬の側にいられたら、それだけで幸せなのに。
「……どこでもいい」
冬馬の目が、見開かれるのが分かった。
「今からじゃ……だめ?」
「……ごめん、いまの無し。……悪かった……春樹となら大丈夫だから」