オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
病院着の春樹からは、少しだけ、消毒のような匂いがしたけれど、春樹の、いつもの体温に触れて、私は涙が止まらなかった。
あったかい、その体温に、春樹が目の前にいることに堪らなく安心する。
春樹は、冬馬達が出て行ってすぐに、私を抱き寄せると強く抱きしめた。
「泣くなよ……明香に泣かれるの、マジでキツい」
「だっ…て、春樹が……このまま」
そこまで言って、言葉は続かない。その言葉を吐けば本当になりそうで、また身体は小さく震えた。
「明香置いて、何処にもいかないから」
春樹は泣きすぎて、真っ赤になった私の瞳を見て、悲しそうに笑う。
「ごめんな……黙ってて」
「私こそ……あんなに側にいたのに、自分のことばっかりで、春樹に気づいてあげられなかった……ごめん、なさいっ」
「頼むから、もう泣かないで……」
春樹は、私の後頭部を髪ごと漉いて撫でると、
綺麗な、二重瞼をにこりと細めた。
こんな時に、私を安心させるために、泣き止ませるために、笑顔を見せる春樹に、どうしようもなく、胸が苦しくて、切なくなる。
春樹は、私の左手を取ると指輪をなぞった。
「……病気が治るまででいいから……側に居てくれる?」
「春樹……」
春樹は、どうして、こんなに優しいんだろう。
冬馬に抱かれて、何度も冬馬を求めた私を許すどころか、そもそも責める気がない。
またポタンと、溢れた涙を春樹が掬ってくれる。
「泣き止んでよ。明香は、俺の為に泣かなくていい。ただ、明香が笑ってくれてたら、それだけで幸せなんだ」
穏やかに紡がれた春樹の言葉に、私は、精一杯微笑んだ。春樹をこれ以上、悲しませたくなくて、春樹を傷つけたくなくて。
「……キスしていい?」
春樹から、そう聞かれたのは付き合い始めて初めてのキスの時以来だ。思わず、すぐに返事できなかった私の頬に触れると、春樹の顔がゆっくり近づいてきた。
「嫌だったら言って……」
嫌なワケない。どれだけ春樹が、私だけをみて、愛して、守ってきてくれたか、痛いほど知っているから。
優しく細められた、綺麗な二重瞼を見つめながら、私は、そっと瞳を閉じた。
触れた唇は、いつもの体温で、あったかくて、いつもの優しい、春樹のキスだった。
「愛してる……何度言っても足りないな……」
春樹は、私の頭をくしゃっと撫でた。
私は、大切に持っていたそれを、ポケットから取り出して、春樹に差し出した。
春樹の二重瞼は、すぐに、大きく見開かれる。
「……私ね……」
「嘘、だろ……」
あったかい、その体温に、春樹が目の前にいることに堪らなく安心する。
春樹は、冬馬達が出て行ってすぐに、私を抱き寄せると強く抱きしめた。
「泣くなよ……明香に泣かれるの、マジでキツい」
「だっ…て、春樹が……このまま」
そこまで言って、言葉は続かない。その言葉を吐けば本当になりそうで、また身体は小さく震えた。
「明香置いて、何処にもいかないから」
春樹は泣きすぎて、真っ赤になった私の瞳を見て、悲しそうに笑う。
「ごめんな……黙ってて」
「私こそ……あんなに側にいたのに、自分のことばっかりで、春樹に気づいてあげられなかった……ごめん、なさいっ」
「頼むから、もう泣かないで……」
春樹は、私の後頭部を髪ごと漉いて撫でると、
綺麗な、二重瞼をにこりと細めた。
こんな時に、私を安心させるために、泣き止ませるために、笑顔を見せる春樹に、どうしようもなく、胸が苦しくて、切なくなる。
春樹は、私の左手を取ると指輪をなぞった。
「……病気が治るまででいいから……側に居てくれる?」
「春樹……」
春樹は、どうして、こんなに優しいんだろう。
冬馬に抱かれて、何度も冬馬を求めた私を許すどころか、そもそも責める気がない。
またポタンと、溢れた涙を春樹が掬ってくれる。
「泣き止んでよ。明香は、俺の為に泣かなくていい。ただ、明香が笑ってくれてたら、それだけで幸せなんだ」
穏やかに紡がれた春樹の言葉に、私は、精一杯微笑んだ。春樹をこれ以上、悲しませたくなくて、春樹を傷つけたくなくて。
「……キスしていい?」
春樹から、そう聞かれたのは付き合い始めて初めてのキスの時以来だ。思わず、すぐに返事できなかった私の頬に触れると、春樹の顔がゆっくり近づいてきた。
「嫌だったら言って……」
嫌なワケない。どれだけ春樹が、私だけをみて、愛して、守ってきてくれたか、痛いほど知っているから。
優しく細められた、綺麗な二重瞼を見つめながら、私は、そっと瞳を閉じた。
触れた唇は、いつもの体温で、あったかくて、いつもの優しい、春樹のキスだった。
「愛してる……何度言っても足りないな……」
春樹は、私の頭をくしゃっと撫でた。
私は、大切に持っていたそれを、ポケットから取り出して、春樹に差し出した。
春樹の二重瞼は、すぐに、大きく見開かれる。
「……私ね……」
「嘘、だろ……」