オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「……生まれる直前に……明香から聞い、たんだ……。俺のせいだ……。自分のことばっかで、明香の事に気づいてやれなかった」
春樹の涙は、初めて見たかもしれない。
春樹はこの四年、どんな思いで暮らしてたんだろうか。愛する明香が、我が子と引き換えで、居なくなってしまった事実を。
「……お前のせいじゃ…ない。……手紙に……お前をどうしても、お父さんに、……してやりたかったって……っ……一人にさせたくなかったって……」
「……分かってた、……明香がどんな気持ちで……俺の為に……それでも、俺は……」
トタトタトタトタと階段を駆け降りてくる足音がしてして、俺は振り返った。
「あ!とうま!」
肩までの黒髪に、大きな黒い瞳をにこりと細めると、俺の膝に乗っかった。
「……明香」
思わず、そう呼んでいた。
「ちがうよ、せいかだよ」
俺はその小さな身体を、思わず抱きしめた。
「くるしいよー、とうま」
小さな手をパタパタさせながら、黒い大きな瞳が口を尖らせて、俺を見上げた。
「星香……大きくなったな……」
「明香がさ、残したスケッチブックに、お前が沢山書いてあってさ、星香に、いつも、見せてたんだ。な、星香」
春樹が、慌てて目元を拭うと、星香に微笑みかけた。
「うん、ママはね、とうまがだいすきだったんだって。ね、パパ」
星香が、歯を見せてニコッと笑えば、片側にだけ、エクボが見える。
「……そっくりだな……」
星香の小さな掌が、俺の口元をかろうじて摘む。
「とうま、ないたらダメだよ。ないたら、アヒルさん、するからね」
思わず俺は笑っていた。もう会えないと思った、明香が目の前にいるみたいで。
春樹の涙は、初めて見たかもしれない。
春樹はこの四年、どんな思いで暮らしてたんだろうか。愛する明香が、我が子と引き換えで、居なくなってしまった事実を。
「……お前のせいじゃ…ない。……手紙に……お前をどうしても、お父さんに、……してやりたかったって……っ……一人にさせたくなかったって……」
「……分かってた、……明香がどんな気持ちで……俺の為に……それでも、俺は……」
トタトタトタトタと階段を駆け降りてくる足音がしてして、俺は振り返った。
「あ!とうま!」
肩までの黒髪に、大きな黒い瞳をにこりと細めると、俺の膝に乗っかった。
「……明香」
思わず、そう呼んでいた。
「ちがうよ、せいかだよ」
俺はその小さな身体を、思わず抱きしめた。
「くるしいよー、とうま」
小さな手をパタパタさせながら、黒い大きな瞳が口を尖らせて、俺を見上げた。
「星香……大きくなったな……」
「明香がさ、残したスケッチブックに、お前が沢山書いてあってさ、星香に、いつも、見せてたんだ。な、星香」
春樹が、慌てて目元を拭うと、星香に微笑みかけた。
「うん、ママはね、とうまがだいすきだったんだって。ね、パパ」
星香が、歯を見せてニコッと笑えば、片側にだけ、エクボが見える。
「……そっくりだな……」
星香の小さな掌が、俺の口元をかろうじて摘む。
「とうま、ないたらダメだよ。ないたら、アヒルさん、するからね」
思わず俺は笑っていた。もう会えないと思った、明香が目の前にいるみたいで。