オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「泣き止めよ、俺が泣かしてるみたいだろうが」

未央が、視線をようやく俺に向けると、ふっと笑った。

「……まさか、私が冬馬に泣かされる女の一人になるなんてね」

「だな」

タンタンと階段から、春樹と星香が降りてくる。

「みてー、パパとママととうま」

星香が抱えていたのは、不細工な雪だるまを囲んだ俺達三人の写真だ。

星香は、にっこり笑うと、テーブルの明香の横にコトンと置いた。

「俺とパパとママは、いつも三人一緒だったんだ」

「なかよしさんなんだね、せいかもまぜてー」

「混ぜてやるよ」

俺は、星香を抱き上げると高い高いをした。
キャッキャッと、はしゃぐ星香に、俺は幼い頃の明香を重ねていた。

「これからは……ずっと一緒だから」

星香が、嬉しそうに笑った顔を見ながら、俺は、小さな身体をぎゅっと抱きしめた。
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