オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
星香は、未央に手を繋がれて、こちらに向かって小さな手をぶんぶんと振っている。

流星は、芽衣の手を振り払って、駆けてきていたが、途中で転げて泣き始めた。

「もう、流星……」

呆れたように芽衣が、流星の頬に、ポケットから取り出した、絆創膏を貼り付けている。

「明香と冬馬にしか見えないな」

春樹が、クククっと笑った。

「春樹、ごめん、星香が、パパとお星様見たいって聞かなくて。この子、風邪ひきやすいから、とめたんだけど……」

見れば、未央に手を引かれた星香の首元には、鮮やかなブルーのマフラーが、巻かれている。

思わず目を見張った、俺を見ながら、春樹が、星香を膝に乗せた。

「このマフラー、ママからもらったんだよな。ママの宝物だから」

「うん、ママのにおいするの」

星香が、マフラーをぎゅっと握り締めると嬉しそうにエクボを見せながら、ニコッと笑う。

「良かったね、星香」

未央が、しゃがみ込むと、愛おしそうに星香の頭を撫でた。
< 197 / 201 >

この作品をシェア

pagetop