オリオンの夜に〜禁断の恋の果ては、甘く切なく溶けていく〜
「あ、はい、明香とお布団2組の、部屋で一緒に寝てましたけど?それがどうかしました?」 

奈々が、不思議そうに聞き返した。  

「……いや、明香は、未だに一人で寝られなくてさ、……冬馬が文句言ってたから」

「ふふっ、明香、寂しがりやの甘えん坊ですからね」

「ほんとに困るよ。奈々ちゃん、遅くにごめんね、また明香から連絡させるよ」

「あ、大丈夫ですよ、この間の写真をラインに送るついでに電話しちゃっただけなんで。じゃあ、おやすみなさい」

奈々との通話が終わってから、俺はしばらくスマホを、握りしめたまま動けなかった。

明香のスマホの待ち受けは、オリオン座だった。冬馬と見たオリオン座。

明香はどんな気持ちでこのオリオン座を、待ち受けにしたんだろうか。

あの同窓会の夜、明香と冬馬は、同じ部屋に泊まって、冬馬は明香を抱いたんじゃないのか?

それを二人揃って、俺に隠している。

俺の脳裏に浮かんだのは、その一つだけだった。

一番考えたくないことなのに、一番納得してしまう。

俺が感じていた違和感も、二人が嘘をついたことも、明香が同窓会の次の日に俺とのセックスで泣いたことも。鎖骨の真新しいキスマークも。


ーーーー冬馬と明香は互いに特別な気持ちを抱いている。

それは決して言葉に出してはいけない。だってそうだろう。血の繋がった兄と妹が愛し合うなんて。

俺は気付けば、雪だるまを囲んで3人で撮った写真を眺めながら、固く拳を握りしめていた。
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