今夜は恋に酔いしれたい
そして、半年が過ぎて、今日は久しぶりのデート。

皆にはまだ付き合っている事を内緒にしているから、呼び方はよそよそしいけれど、二人っきりでいる時に、「愛香」って呼んでくれるのが好き。

早く二人きりになりたい。

そんな風に思える程、私は桔平さんに夢中だ。


そして仕事が終わって、私達は時間差でオフィスを出た。

「桔平さん。」

「おう。」

手を挙げる仕草が男らしくて、私は好きだ。

「じゃあ、行こうか。」

「うん。」

予約した三上プリンスホテルには、歩いて行ける距離だ。

「今日は、最上階のレストラン、予約したから。」

「ええ?あそこのレストラン、料金高いよね。」

「まあ……今日は、特別だから。」
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