あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「あ、あの……」
ソワソワと視線を揺らせる杏子の前にしゃがみ込んだ倍相さんが、「ちょっとごめんね」と断りを入れてから買ってきたばかりのコットンに消毒液を染み込ませてから杏子のひざにポンポンと押し当ててきた。
「ホントは流水で洗い流すのが一番なんだけどとりあえず応急処置ね」
言いながら杏子の傷口を丁寧に清めてから、やはり一緒に買って来てあったんだろう。ビニール袋の中から絆創膏を取り出すと傷口に貼ってくれる。
「勝手にごめんね。血が流れたままなのが気になっちゃって。そんなに深い傷じゃないから、痣にはならないと思うけど……化膿したりしたら大変だから」
杏子が、「よし出来た」と立ち上がった倍相さんを驚き顔で見詰めていたら、「で、えっと……杏子ちゃん? は僕の勤め先を知ってるの?」と先程聞かれた質問を再度投げ掛けられた。
てっきり美住の方で呼びかけられると思っていた杏子は、それだけでも一杯一杯なのに、問い掛けられた内容にもどう答えたらいいか戸惑って――。
散々ぐるぐるした結果、「そのっ。……結局セッティング前にダメになってしまったんですけど……お見合いする予定だったお相手の方が倍相さんと同じお勤め先の方だったんです……」と、包み隠さず話してしまっていた。
***
ソワソワと視線を揺らせる杏子の前にしゃがみ込んだ倍相さんが、「ちょっとごめんね」と断りを入れてから買ってきたばかりのコットンに消毒液を染み込ませてから杏子のひざにポンポンと押し当ててきた。
「ホントは流水で洗い流すのが一番なんだけどとりあえず応急処置ね」
言いながら杏子の傷口を丁寧に清めてから、やはり一緒に買って来てあったんだろう。ビニール袋の中から絆創膏を取り出すと傷口に貼ってくれる。
「勝手にごめんね。血が流れたままなのが気になっちゃって。そんなに深い傷じゃないから、痣にはならないと思うけど……化膿したりしたら大変だから」
杏子が、「よし出来た」と立ち上がった倍相さんを驚き顔で見詰めていたら、「で、えっと……杏子ちゃん? は僕の勤め先を知ってるの?」と先程聞かれた質問を再度投げ掛けられた。
てっきり美住の方で呼びかけられると思っていた杏子は、それだけでも一杯一杯なのに、問い掛けられた内容にもどう答えたらいいか戸惑って――。
散々ぐるぐるした結果、「そのっ。……結局セッティング前にダメになってしまったんですけど……お見合いする予定だったお相手の方が倍相さんと同じお勤め先の方だったんです……」と、包み隠さず話してしまっていた。
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