あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「あー、もう! すぐイチャイチャする!」

「ん? 俺と羽理(うり)のラブラブぶりを見て、柚子(ゆず)も優一さんが恋しくなったか?」

「うるさい!」

 姉の旦那の名をわざと出してニヤリとしてみせた大葉(たいよう)に、柚子がどこか照れたような顔で噛みついて。
 羽理がすぐ横で「大葉(たいよう)!」と照れ隠しみたいに大葉(たいよう)の手をペシッと叩いた。

 そんな三人の様子を見ていた果恵(かえ)が、夫の聡志(さとし)へしたり顔で目配せをして、聡志が「柚子。さっき、父さん、優一くんと電話で話したからもうちょっとしたら柚子にもお迎えが来ると思うぞ?」とにっこり笑う。

「えっ、ちょっと! 父さんまでなに勝手なことを!」

「父さんと母さんも夫婦水入らずで過ごしたいんだ。仕方ないだろう?」

 両親にまで仲直りしたいけれど素直になり切れない気持ちを見透かされたみたいな気がして、柚子はぷぅっと頬を膨らませた。

 と、そこでちょうどブブッと誰かの携帯のバイブレーションの音が響いて、思わず自分の携帯へ視線を落とした柚子は、「ほら、貴女も優一さんからの連絡、期待してるんじゃない」と果恵(母親)にクスクス笑われてしまう。

 結局通知が来ていたのは大葉(たいよう)のスマートフォンで、メッセージの送り主は優一(義兄)ではなく部下の倍相(ばいしょう)岳斗(がくと)だった。


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