あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「あー、安心しろ、法忍さんからじゃない。……倍相課長からだ」
そもそも倍相岳斗とは下の名で呼び合うようになった時ID交換をしたが、法忍仁子とはメッセージアプリで繋がっていない。もちろん電話番号を介したショートメッセージくらいは送ってこられるだろうが、彼女の性格からして自分に用がある時はそんなまどろっこしいことはせず、直接音声通話を選択しそうなイメージだ。
それはさておき、いま大葉が倍相岳斗のことをあえて〝岳斗〟とは呼ばずに〝苗字+役職名〟で告げたのはわざとだったりする。本当はプライベートな内容だったのを、何となく羽理にはそうではないと思わせたいとか考えてしまったからなのだが、それがまた良くなかったらしい。
「あの……、倍相課長から……ってことは……やっぱり私への苦言ですか? 気を遣わなくていいのでハッキリ教えてください」
結局何を言っても仕事に穴をあけてしまったことへの罪悪感に帰結してしまうらしい。
大葉はそんな羽理の様子に小さく息を呑んだ。今までならば、それでも何とか誤魔化すルートを模索していたかも知れないが、そういうことをすると羽理を悲しませてしまうと学んだばかりである。
ちょうど車が赤信号に引っ掛かったのも、羽理にちゃんと話せと《《誰かから》》後押しされているような気がして。
「どういうわけか分かんねぇんだけど……」
大葉はロックを解除して先程のメッセージを表示してから、羽理に自分のスマートフォンを差し出した。
***
そもそも倍相岳斗とは下の名で呼び合うようになった時ID交換をしたが、法忍仁子とはメッセージアプリで繋がっていない。もちろん電話番号を介したショートメッセージくらいは送ってこられるだろうが、彼女の性格からして自分に用がある時はそんなまどろっこしいことはせず、直接音声通話を選択しそうなイメージだ。
それはさておき、いま大葉が倍相岳斗のことをあえて〝岳斗〟とは呼ばずに〝苗字+役職名〟で告げたのはわざとだったりする。本当はプライベートな内容だったのを、何となく羽理にはそうではないと思わせたいとか考えてしまったからなのだが、それがまた良くなかったらしい。
「あの……、倍相課長から……ってことは……やっぱり私への苦言ですか? 気を遣わなくていいのでハッキリ教えてください」
結局何を言っても仕事に穴をあけてしまったことへの罪悪感に帰結してしまうらしい。
大葉はそんな羽理の様子に小さく息を呑んだ。今までならば、それでも何とか誤魔化すルートを模索していたかも知れないが、そういうことをすると羽理を悲しませてしまうと学んだばかりである。
ちょうど車が赤信号に引っ掛かったのも、羽理にちゃんと話せと《《誰かから》》後押しされているような気がして。
「どういうわけか分かんねぇんだけど……」
大葉はロックを解除して先程のメッセージを表示してから、羽理に自分のスマートフォンを差し出した。
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