あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
「婚約指輪だと、俺のがないだろーが!」
大葉がムスッとした表情をして、ボソリと「お前の指輪は俺のと揃いだって知らしめてぇーんだよ」とか付け加えてくるものだから、思わずぽかんと口を開けてそんな大葉を見詰めてしまった羽理である。
「あ、あの……大葉? 私たちの婚約は……」
「ああ、社内では秘密だよ!」
忌々し気にチッと舌打ちしてそっぽを向く大葉に、羽理はいけないと思っていても吹き出さずにはいられない。
「……何だよ」
ばつが悪いんだろう。ますます不機嫌になる大葉に、羽理は「だって……」と笑いをこらえる余り目尻に滲んだ涙をぬぐった。
「大葉、駄々っ子みたいで可愛いんですもん」
そこで我慢出来ずにクスクスと声に出して笑ったら、大葉にギュウッと鼻をつままれた。
「痛いれす」
ペシペシと大葉の腕を叩いて手を離してと訴える羽理に、「お前は……」と大葉が吐息を落とすから。
「ん?」
羽理は自分の鼻先に伸ばされたままの大葉の手をキュッと握って先を促した。
「《《俺がそばにいられなくなっても》》不安じゃないのか」
大葉の言葉に、先日社長から呼び出された時のことを思い出した羽理は小さく息を呑んだ。
***
土恵商事の社長である土井恵介の《《自宅》》へ、羽理が大葉とともに呼び出されたのは、屋久蓑家・荒木家双方への挨拶を済ませて程なくしてのことだった。
大葉がムスッとした表情をして、ボソリと「お前の指輪は俺のと揃いだって知らしめてぇーんだよ」とか付け加えてくるものだから、思わずぽかんと口を開けてそんな大葉を見詰めてしまった羽理である。
「あ、あの……大葉? 私たちの婚約は……」
「ああ、社内では秘密だよ!」
忌々し気にチッと舌打ちしてそっぽを向く大葉に、羽理はいけないと思っていても吹き出さずにはいられない。
「……何だよ」
ばつが悪いんだろう。ますます不機嫌になる大葉に、羽理は「だって……」と笑いをこらえる余り目尻に滲んだ涙をぬぐった。
「大葉、駄々っ子みたいで可愛いんですもん」
そこで我慢出来ずにクスクスと声に出して笑ったら、大葉にギュウッと鼻をつままれた。
「痛いれす」
ペシペシと大葉の腕を叩いて手を離してと訴える羽理に、「お前は……」と大葉が吐息を落とすから。
「ん?」
羽理は自分の鼻先に伸ばされたままの大葉の手をキュッと握って先を促した。
「《《俺がそばにいられなくなっても》》不安じゃないのか」
大葉の言葉に、先日社長から呼び出された時のことを思い出した羽理は小さく息を呑んだ。
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土恵商事の社長である土井恵介の《《自宅》》へ、羽理が大葉とともに呼び出されたのは、屋久蓑家・荒木家双方への挨拶を済ませて程なくしてのことだった。