あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
実際のところ、見た目だけで異性からこんな反応をされることには心底辟易している岳斗だったけれど、あえて気付かないふり。
「あの……山本さん?」
ちらりと受付嬢の胸元に付けられた名札を確認するなり、困惑した体で、わざわざ彼女の名を交えて呼び掛けた。そうして、《《意図的に》》あざとく見えるように小首を傾げて先を促すのだ。
これだけで持ち直してくれたのはさすがというべきか。
「あっ、し、失礼いたしました。……つ、土恵商事の倍相岳斗さまですね。その……み、美住から話は伺っております。彼女を下までお呼び出し致しますか?」
ワタワタしながらも、しどろもどろ。何とかいつも通りと思しき対応をしてくれたことに、岳斗はホッと胸を撫で下ろす。
受付嬢の提案を一瞬にして脳内で転がすと、「いえ、途中他の部署の方々や中村経理課長さまにもご挨拶したいですし、経理課が何階にあるのかだけ教えて頂けたら自分で……」とにっこり微笑んだ。
(道すがら、それとなく社内の様子を探ってみよう)
杏子の様子からして、問題は経理課内だけではないように感じた岳斗は、受付嬢から経理課は四階だと聞き出したのち、わざとエレベーター前を通過して階段へと向かった。
***
「あの……山本さん?」
ちらりと受付嬢の胸元に付けられた名札を確認するなり、困惑した体で、わざわざ彼女の名を交えて呼び掛けた。そうして、《《意図的に》》あざとく見えるように小首を傾げて先を促すのだ。
これだけで持ち直してくれたのはさすがというべきか。
「あっ、し、失礼いたしました。……つ、土恵商事の倍相岳斗さまですね。その……み、美住から話は伺っております。彼女を下までお呼び出し致しますか?」
ワタワタしながらも、しどろもどろ。何とかいつも通りと思しき対応をしてくれたことに、岳斗はホッと胸を撫で下ろす。
受付嬢の提案を一瞬にして脳内で転がすと、「いえ、途中他の部署の方々や中村経理課長さまにもご挨拶したいですし、経理課が何階にあるのかだけ教えて頂けたら自分で……」とにっこり微笑んだ。
(道すがら、それとなく社内の様子を探ってみよう)
杏子の様子からして、問題は経理課内だけではないように感じた岳斗は、受付嬢から経理課は四階だと聞き出したのち、わざとエレベーター前を通過して階段へと向かった。
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