あのっ、とりあえず服着ませんか!?〜私と部長のはずかしいヒミツ〜
社長室に移動したのち、杏子はポツリポツリとではあったけれど、自分の言葉でしっかりと、近衛社長に事の顛末を話すことが出来た。
実際には杏子が何か話そうとするたび、まるで言い訳したいみたいに笹尾や安井、そうして彼女の取り巻きの古田や木坂が口を挟もうとしてきた。だが岳斗がちらりと凍り付くような冷たい視線を投げかけるだけで、みんな慌てて視線を逸らせて黙り込んでくれたというのが正しい。
この場にあっても、杏子は岳斗に守られていることを実感させられて、くすぐったいような……何とも言えない気持ちになった。
直属の上司である中村経理課長のセクハラまがいのパワハラの話をしたときには、「ね、杏子ちゃん。せっかくだしあの音声を聴いてもらったら?」と岳斗が杏子にそっと耳打ちをしてきた。
「でも……」
さすがにそれは中村経理課長にとって不利になりすぎるのでは? と思ってしまった杏子だったのだけれど、「この際、膿は出し切った方がいい」と岳斗に促されて、恐る恐る鞄の中からスマートフォンを取り出した。
途端、「み、美住くん! それはキミが僕に許可なく勝手に録音したものだよね!? それを出すのはどうかと思うんだが!」と中村経理課長がどこか焦りつつも威圧的に言ってきて……杏子は再生ボタンを押そうと伸ばした手をビクッと震わせてしまう。
そんな往生際の悪い中村経理課長に、岳斗はあからさまに吐息を落とすと、
「近衛社長、会議室には防犯カメラとか設置されていないんですよね?」
じろりと中村経理課長を睨んでから、それでも落ち着いた声音で近衛社長にそう問い掛けてくれて、場の空気を一新した。
実際には杏子が何か話そうとするたび、まるで言い訳したいみたいに笹尾や安井、そうして彼女の取り巻きの古田や木坂が口を挟もうとしてきた。だが岳斗がちらりと凍り付くような冷たい視線を投げかけるだけで、みんな慌てて視線を逸らせて黙り込んでくれたというのが正しい。
この場にあっても、杏子は岳斗に守られていることを実感させられて、くすぐったいような……何とも言えない気持ちになった。
直属の上司である中村経理課長のセクハラまがいのパワハラの話をしたときには、「ね、杏子ちゃん。せっかくだしあの音声を聴いてもらったら?」と岳斗が杏子にそっと耳打ちをしてきた。
「でも……」
さすがにそれは中村経理課長にとって不利になりすぎるのでは? と思ってしまった杏子だったのだけれど、「この際、膿は出し切った方がいい」と岳斗に促されて、恐る恐る鞄の中からスマートフォンを取り出した。
途端、「み、美住くん! それはキミが僕に許可なく勝手に録音したものだよね!? それを出すのはどうかと思うんだが!」と中村経理課長がどこか焦りつつも威圧的に言ってきて……杏子は再生ボタンを押そうと伸ばした手をビクッと震わせてしまう。
そんな往生際の悪い中村経理課長に、岳斗はあからさまに吐息を落とすと、
「近衛社長、会議室には防犯カメラとか設置されていないんですよね?」
じろりと中村経理課長を睨んでから、それでも落ち着いた声音で近衛社長にそう問い掛けてくれて、場の空気を一新した。