深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
小野田の家には、恭也もまだ二回しか行ったことがないそうだ。
でも……。
「俺、ここで暮らしていたらしいんだよね。二歳までだから、まったく記憶はないんだけど、アルバムにはこの家のいろんな場所で撮った写真があったよ」
恭也の幼少期のことは、あまり聞いたことがない。今のお父さんに出会うまでは、お母さんと二人暮らしだったことくらしか知らなかった。
彼が会社を継ぐと決めた時に、この家と切れていた縁がまた繋がった。
複雑な心境だっただろうけど、彼なりにお父さんに歩み寄ろうと決めたに違いない。
駐車場から玄関までのアプローチが長く、整備された広い庭園に私は感動した。
「すごい……きれいね!」
「そうだね」
恭也はちょっと返事に困った感じだったが、ゆっくりと歩を進めた。見えてきた家の前で、私は目を瞬かせた。
「素敵な洋館……これ、家なんだよね?」
「うん。大正初期に建てられた古い建物だけど、何度か改修しているらしいよ」
「うわあ、中も気になる。でも……ものすごく緊張してきた。私、こんな服で大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。きれいだから、自信持って」
「自信なんて、持てないよ」
でも……。
「俺、ここで暮らしていたらしいんだよね。二歳までだから、まったく記憶はないんだけど、アルバムにはこの家のいろんな場所で撮った写真があったよ」
恭也の幼少期のことは、あまり聞いたことがない。今のお父さんに出会うまでは、お母さんと二人暮らしだったことくらしか知らなかった。
彼が会社を継ぐと決めた時に、この家と切れていた縁がまた繋がった。
複雑な心境だっただろうけど、彼なりにお父さんに歩み寄ろうと決めたに違いない。
駐車場から玄関までのアプローチが長く、整備された広い庭園に私は感動した。
「すごい……きれいね!」
「そうだね」
恭也はちょっと返事に困った感じだったが、ゆっくりと歩を進めた。見えてきた家の前で、私は目を瞬かせた。
「素敵な洋館……これ、家なんだよね?」
「うん。大正初期に建てられた古い建物だけど、何度か改修しているらしいよ」
「うわあ、中も気になる。でも……ものすごく緊張してきた。私、こんな服で大丈夫かな?」
「大丈夫だよ。きれいだから、自信持って」
「自信なんて、持てないよ」