深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
震える手で、恭也の袖を掴んだ。彼は微かに笑い、その手を握ってくれた。
「落ち着いて」
「無理……」
足を止めてしまった私の手を恭也が引っ張った。玄関まで、あと二メートルくらいの距離である。
「ほら、行かないと。待たせると印象が悪くなるよ」
「えっ、それは困る」
「なんて、そんなことで印象悪くならないから、気楽にして」
「無理、無理。ちょっと待って……深呼吸させて」
「深呼吸って……あ」
恭也が苦笑した時、玄関のドアの開く音が聞こえた。そこから出てきたのは、典子さんだった。
「なかなか入って来られないから、迎えに来ましたよ」
「もしかして、見ていたんですか?」
恭也の問いに、典子さんは微笑んだ。
「モニターにしっかりと二人の姿が写っていましたから」
私はそれを聞いて、「ええっ!」と思わず声をあげてしまった。
そうか、こういう大きな家はセキュリティ対策のために防犯カメラが設置されている……。
家の前で怖気づいている姿を見られていたと知り、恥ずかしくなった。
「すみません、もたもたしていまして……」
「気にしないで。どうぞお入りください」
「落ち着いて」
「無理……」
足を止めてしまった私の手を恭也が引っ張った。玄関まで、あと二メートルくらいの距離である。
「ほら、行かないと。待たせると印象が悪くなるよ」
「えっ、それは困る」
「なんて、そんなことで印象悪くならないから、気楽にして」
「無理、無理。ちょっと待って……深呼吸させて」
「深呼吸って……あ」
恭也が苦笑した時、玄関のドアの開く音が聞こえた。そこから出てきたのは、典子さんだった。
「なかなか入って来られないから、迎えに来ましたよ」
「もしかして、見ていたんですか?」
恭也の問いに、典子さんは微笑んだ。
「モニターにしっかりと二人の姿が写っていましたから」
私はそれを聞いて、「ええっ!」と思わず声をあげてしまった。
そうか、こういう大きな家はセキュリティ対策のために防犯カメラが設置されている……。
家の前で怖気づいている姿を見られていたと知り、恥ずかしくなった。
「すみません、もたもたしていまして……」
「気にしないで。どうぞお入りください」