深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
熱のこもった瞳で私を見つめる彼が、何を求めているのかは考えるまでもなく、わかった。私も同じだからだ。一度離れて、もう一度唇を重ねようとした時……インターホンが鳴った。

「あ」
「あ、来たみたいね」
「タイミング、悪いな」

デリバリーが届き、続きは食べたあとになる。

恭也は応答しようとする私の肩を掴んだ。

「先にさやかを食べたかったのに……」
「せっかくの料理が冷めたら、もったいないよ」

ダイニングテーブルには白いテーブルクロスが掛けられ、端にキャンドル風ライトが置かれた。これらは、頼んだクリスマスディナーコースに含まれている。

豪華な食事が並び終わっても、恭也は不服そうに立っていた。

今夜は恭也が早くに帰ってきたから、まだ時間はたっぷりある。私は彼の手を引いた。

「食べようよ」
「うん」

「メリークリスマス」とシャンパングラスを掲げると、恭也のやさぐれていた気持ちが変化したようで、美味しそうに食べ出した。

「さやかとクリスマスイブに食事ができるなんて、夢を見ているみたいだよ」

感慨深げに言う彼の目は、少し潤んでいた。
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