21トリソミー
 母の手料理を食べ終わると、父が「これはカフェイン入ってないヤツだから大丈夫」と言いながら麦茶を出してくれた。

 お腹の子を気遣ってくれる両親に「この子はダウン症の可能性があるんだよ」と伝えたら、どんな顔をするのだろう。

 お願いだから、否定しないで。ガッカリしないで。

 大好きな両親のそんな反応は見たくない。

 麦茶を啜り、錆び付いたシャッターを抉じ開けるように、ゆっくりと口を開く。

「……昨日ね、NIPTの検査結果が出てね。21トミソリーが陽性だった。……お腹の赤ちゃん、ダウン症の可能性があるみたい」

「……そうか」

 父は表情を変えず、事実を受け取った。受け入れてはいないだろう。会社でいう『承知しました』のような意味合いの相槌を返した。

「…………」

 母は父の隣で眉間に皺を寄せ、神妙な面持ちだった。
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