21トリソミー
「どうしたらいいんだろう」

 両親の目を交互に見つめ、答えを求める。お父さんなら、お母さんならきっと、私が納得する言葉を言ってくれるのではないか。

「……香純は、どうしたい?」

 奈子のように、質問を質問で返してきた父に苛立ちを感じる。

「分からないから聞いてるの‼」

「だったら堕ろしなさい。確固たる産む覚悟のない人間に、母親になる資格なんかない」

 怒る私に母がビシャリと言い放った。

「お母さんは、障がい者を産んだことも育てたこともないから、そんな非情なことが言えるのよ‼」

「香純は、障がい者を産んだことも育てたこともない私たちに、何を聞きにきたの?」

「…………」

 母の問いに口籠る。

 私は両親の、優しい言葉と応援と共感が欲しくて、新幹線で2時間掛けてやってきてしまった。
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