大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
母家に戻ったあと、あまりの様子のおかしさに、行正に追求された咲子はすべてしゃべってしまった。
すると、行正は怒るでもなく、ただ呆れたように言う。
「……毒だと思ったなら、何故、飲んだ」
「行正さんの目を見ているうちに、飲むしかない! と思いまして」
と言って、
「いや、飲むな」
と言われる。
「そもそも何故、俺がお前を殺さねばならんのだ」
「じゃ……邪魔なお飾りの妻は殺されるとあの雑誌に――」
咲子はサンルームの片隅に隠していてた婦人雑誌を指差した。
「ハツ、あれ全部捨ててくれ」
「はい」
と普通の煎茶を淹れてくれたハツがそれらを全部抱えて出ていった。