大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 美佳子は、

「行正さん、咲子をお願いしますね。
 ぼんやりした子だけど、いいところもあるのよ。

 ……何処かに」
と実母ならではの率直な意見――

 いや、継母でも同じことを言うか……

を言い、行正としばらく歓談していた。

「あら、ルイス先生が……」

 ふいに咲子の視界に、庭で物思いに耽っているようなルイスが入った。

 今日は天気もいいので、大きな窓は開け放たれ、庭とひとつなぎのパーティ会場のようになっている。

「ルイス先生、なにやら浮かない顔ですね」
と咲子が言うと、行正は咲子の手を握り、

「では、失礼します」
と美佳子に頭を下げて行こうとする。

 美佳子は笑い、
「……咲子をよろしくね」
と言って二人を見送った。




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