大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
「いや、お前がなに考えてるかなんて、誰にもわからないと思うぞ。
 ときどき、とんでもないことやらかすからな」

 でもまあ、日常のちょっとしたことならわかる、と言う。

 咲子は、ふう、と溜息をついたあと、グラスを置いて行正を見上げた。

「行正さん」
「なんだ」

「実は、私……」

 覚悟を決め、自分が人の心を読めること。

 そして、行正に関しては、まったく読めていない気がしてきたことを告白しようとしたとき、咲子は庭で起こっている小さな騒ぎに気がついた。
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