大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
「お前もあの友だちと一緒にルイスの授業を受けてたんだろっ?」

「は?
 ええ、まあ」

「それなのに、何故、ルイスが好きなのはお前じゃないっ」

 ……どうしたいんですか、あなたは。

「私を不倫させたいのですか?」
と訊いてみたが、行正は窓に張りつき、二人を見つめ。

 いつもキリリと引き締まっている唇を噛み締めて言う。

「……不倫?
 不倫とか許されない。

 一般論でも許されないのに。
 お前の友人が不倫とか、さらに許されないっ」

 お前まで不倫したらどうするっ? と言われるが。

 いや、不倫って、相手いりますからね……。

 っていうか、行正さん一人にこんなに振り回されてるのに。

 さらに他の男の人とか、こりごりですよ、と咲子は思っていた。
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