大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 


「お前たち、なにをしている」

 いきなり現れ、小声で厳しく問いただす行正に、ひっ、とルイスは固まった。

 さすが軍人さん、迫力あるな、と咲子は苦笑いする。

 一方、文子は、そんなに怯えてもいなかった。

「行正さんっ、お願いしますっ。
 止めないでくださいっ」

 ルイスに、うるうると子犬のようなで見られ、行正は、うっ、とつまる。

 ルイスの手は、文子の腕をしっかり握っているが、文子はちょっとぼんやりしているようにも見えた。

 ルイスは切々と行正に訴える。

「手助けしてくれとは言いません。
 見逃してください」
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