大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
「駆け落ちか……。
まあ、考えてみれば、それも浪漫だな」
浪漫とか言うのですね、あなたでも……、
と思う咲子は知らなかった。
行正の妄想の中では、逃げていく若い二人の姿が、手に手をとって駆け落ちしていく自分と咲子、にすり替わっていたことを。
いや、まったく逃げる必要などない二人なのだが――。
庭で歓声が上がったと思ったら、さっきのシェフが外に出ていて、今度は外で炎のデザートを作っていた。
「……こういうパーティって、一度はじまったら、主役の一人や二人、いなくなっててもわからないものなんですね」
「食べに行くか、クレープ」
そうですね、と笑い、咲子たちは炎が上がっているワゴンの方に向かい、歩いていった。
まあ、考えてみれば、それも浪漫だな」
浪漫とか言うのですね、あなたでも……、
と思う咲子は知らなかった。
行正の妄想の中では、逃げていく若い二人の姿が、手に手をとって駆け落ちしていく自分と咲子、にすり替わっていたことを。
いや、まったく逃げる必要などない二人なのだが――。
庭で歓声が上がったと思ったら、さっきのシェフが外に出ていて、今度は外で炎のデザートを作っていた。
「……こういうパーティって、一度はじまったら、主役の一人や二人、いなくなっててもわからないものなんですね」
「食べに行くか、クレープ」
そうですね、と笑い、咲子たちは炎が上がっているワゴンの方に向かい、歩いていった。