大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 


「……大丈夫なんですかね~?」
 帰りの車で咲子は呟く。

「意外とああいう夫婦がうまくいくもんだ。
 二人ともあんな言い方しかできない人間なんだろうが。

 きっと二人とも、披露パーティでお互いを見た瞬間に、恋に落ちたんだよ」

「……そうかもしれませんね」
と咲子は微笑む。

「行正さんは、ときどき、私より浪漫主義者(ロマンチスト)ですね」

「そんなことはない。
 だが……いきなり相手を好きになることは……

 あると思う」

 窓の外を見て、そう呟く行正に、咲子は衝撃を受けていた。

 一体、誰を好きになったんですか、行正さんっ。
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