大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
その後、結局、
「このままでは、文子サンが親不孝な娘になってしまいます」
とルイスがまともなことを言い、
二人は一度浅野の屋敷に戻って両親を説得することになったらしい。
校長先生は知っていたらしいが。
ルイスは英国貴族の次男坊だった。
文子が結婚する予定だった男は、文子とは披露パーティまで、ほとんど出会わなかったこともあり。
「浅野家の娘なら、誰でもいいです」
と言ったそうで。
文子の代わりに、三女が嫁ぎ。
あっさり両親に結婚を認められた文子は船に乗って、英国に旅立っていった。
結婚の報告をルイスの両親にするためだ。
少し向こうでゆっくりして来ると言う。
そもそも、ロンドンまで、船で四、五十日かかるのだ。
しばらく戻っては来られないだろう。
「ああ……おともだちが遠くにいってしまいました」