大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
「素敵ですわ、お義兄さまもお義姉もっ。
 まるで、西洋の本の挿絵のようっ」

 私も結婚したくなりましたわっ、とはしゃぐ真衣子を車の窓から振り返りながら、

 そうね。
 真衣子は幸せな結婚をしてね……と咲子は、しんみり眺めていた。

 そのあと、車の中で訪れるのは、真衣子が憧れるような幸せなデエトの時間ではなく。

 ただただ沈黙する蝋人形との血も凍るような時間だったのだが――。


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