大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
行正が玄関扉を開けてくれ、咲子に中を見せてくれた。
広く天井の高い玄関ホールは洋風だった。
裕福な商家の持ち物だったというだけのことはあり。
イギリス人設計士が作ったというこの屋敷は、細かい部分まで、ふんだんにお金がかけられていて。
それでいて品よくまとまっていた。
お義母さまが気に入って、即買われたというだけのことはあるな、と咲子はぐるりとホールを見回す。
「あの」
と咲子は行正を振り向いた。
「使用人の方々は、もう決まっていらっしゃるのでしょうか?
母が気にしていたのですけれど」
これだけの屋敷だ。
結構数がいるのではないだろうか。
三条家が用意してくれるのだろうが。
人数は足りているのだろうかと、弥生子が今朝心配していたのだ。