大正ロマン恋物語 ~将校様とサトリな私のお試し婚~
 すると、自然に言葉が口から出るようになる。

「あの、私、お気に入りのピアノがあるのですけれど。
 こちらに運んでもよろしいですか?」

 日当たりの良いサンルームを見つけてそう言ったり。

「あ、藤棚枯れちゃってますね。
 植え直してもらってもいいですか?」
とか言いたいことをちゃんと伝えられた。

 行正は特に返事もなく、ただ頷いている。

 時折、あの~、そんなに私といるのが嫌なら、断ればよかったんじゃないですかね? このお話、と思ったりもしたが。

 まあ、なんとか屋敷の見学を終えた。


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