その恋は秘密で進む

第1話 結婚の噂

「美咲、俺に付いて来てくれないか。」

2年前、好きな人にカフェで言われた。

「どういう意味?」

心臓がドキドキしながら、私は冷静を装って、好きな人・荻原樹に聞いてみた。

「俺、独立するんだ。」

「独立?資金は?どんな会社にするの?」

幼馴染みである彼の事を心配して、いろいろ聞くけれど、彼は一つ一つ丁寧に答えてくれた。

「準備万端だったのね。」

「ごめんな。相談もせずに、水面下で進めていて。」

こういう時、少しだけ寂しく思うのは、やはり彼の事が好きだからなのか。

「それで?私には、何をしろと言うの?」

「秘書になって欲しいんだ。もちろん、発起人の一人も務めて欲しい。」

「分かった。樹の為だもんね。」

私達は立ち上がると、固い握手を交わした。
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