青い星を君に捧げる【零】
「えっと……名前聞いてもいいかな」
「ハル」
リリィ、と言いかけた言葉を飲み込んだ。教えちゃいけない。
私は当主様に義妹のフリをして生きることを命令された。だから義妹の名前である“波瑠”を名乗らざる得ないのだ。
私の本当の名前がリリィだと知るのは極少数。リリィは死んだ扱いだから。
「俺はね、藤野佑真。佑真って呼んで」
「……ゆーま」
「そ。俺疲れたし送っていけないからさ、ここに泊まっていってよ。今日は俺もここにいるから安心して」
そこの棚に必需品は置いてあるから、と言いながらよほど眠かったのかそのままベッドからソファに移動し寝転ぶ。
「ちょっと……」
「ベッドは奥の扉で、トイレと風呂はそっち……」
と目を瞑りながら指を指した。が1秒しないうちに腕はダラリと落ち、本当に眠ってしまった。小さく寝息が聞こえる。私はここに来て何回目かの大きなため息を吐いた。
なんかやばそうなことに巻き込まれるし、お気に入りの靴は落とすし、今日は散々。
「……ま、ありがと」
そう言って私は必要なものを棚から出して、お風呂へと向かった。
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「ハル」
リリィ、と言いかけた言葉を飲み込んだ。教えちゃいけない。
私は当主様に義妹のフリをして生きることを命令された。だから義妹の名前である“波瑠”を名乗らざる得ないのだ。
私の本当の名前がリリィだと知るのは極少数。リリィは死んだ扱いだから。
「俺はね、藤野佑真。佑真って呼んで」
「……ゆーま」
「そ。俺疲れたし送っていけないからさ、ここに泊まっていってよ。今日は俺もここにいるから安心して」
そこの棚に必需品は置いてあるから、と言いながらよほど眠かったのかそのままベッドからソファに移動し寝転ぶ。
「ちょっと……」
「ベッドは奥の扉で、トイレと風呂はそっち……」
と目を瞑りながら指を指した。が1秒しないうちに腕はダラリと落ち、本当に眠ってしまった。小さく寝息が聞こえる。私はここに来て何回目かの大きなため息を吐いた。
なんかやばそうなことに巻き込まれるし、お気に入りの靴は落とすし、今日は散々。
「……ま、ありがと」
そう言って私は必要なものを棚から出して、お風呂へと向かった。
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