青い星を君に捧げる【零】
「ねえ隠さないでぜんぶ見せてよ」


顔を見ようと回り込む私から逃げる佑真。最後には私が彼の腕を引っ張り逃げないように抱きついた。


「くそっ……調子狂うんですけど」


「早く行かないと遅刻しちゃうよ」

私のこんな腕なんて振り解くのは容易いはずなのに。大人しく捕まっていてくれてる佑真が……。


「かっこよく決めるつもりだったのになぁ。まあ、こんな可愛らしい姫様になら振り回されても悪くない、かな」


匡が事前に準備してくれていた学生が持ってそうなリュックを背負い、佑真と2人こそこそと百合の宮を出た。

イケナイことをしている、息を潜めて隠れながら屋敷を抜け出す。たまに触れる彼の地肌が熱くて意識せざる得ない。


「桜蘭高校は共学で白虎の幹部たちは全員通ってるんです」


「幹部たち全員が……」


「今日時間があれば会わせますね。一般公開日だから忙しいはずですけど」


たわいない話をしてたまに変なことを言う佑真に呆れながら歩けば、校門にあっという間に着いた。

もう既に文化祭は始まっていて、私たちと同じ制服を着た生徒や他校の子、それから大人たちで賑わっていた。

青春の風が吹き抜ける。


「佑真は忙しくないんだね」


「ああ、俺は重要な仕事を貰ってるんで」
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