青い星を君に捧げる【零】
目を右へ左へ動かす私を、頬杖をついた彼が控えめな笑みを浮かべて見ていたことを私は知らなかった。

「波瑠さんと学校通ってたらこんなだったのかな」


「あなたは授業中ずっと寝てそうだね」

迎え側に座る彼がうっとりと蒼天を眺めながら言う。

あっという間に想像できた。教室内の騒がしさが消え、教科書のページを捲る音にシャープペンシルが紙に走る音。

隣の席で突っ伏して眠っている佑真を私がそっと盗み見る。

その時、伏せられていた彼の長い睫毛が震え、深い赤色の瞳がさらりと落ちたクリーム色の細い髪から覗いた。


へにゃりと寝起きの定まらない笑顔。


もしも私たちが本郷家の娘と白虎総長ではなくて、普通の学生だったなら。そこに幸せはあったのか。最近やけにそんなことを考えてしまう。


「そんなことないっすよ。俺結構授業はちゃんと聞いてますよ〜」

すっかり空想に浸っていた私を佑真の声が現実へと引き戻す。


「じゃあ……いつ寝てるのよ。夜だって当主様の命令で敵対勢力の潜入してスパイしてるんでしょ?」


「わあわあわあ!!!そんな公共の場で堂々と言わないでください……」
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