青い星を君に捧げる【零】
「クッキーの粉つけちゃって……」

そう言いながら粉を取り終わったはずなのに、手も指も離れることなくそのまま唇を触れるか触れないかの瀬戸際でなぞる。


クッキーの粉なんてものを口元につけていた子供みたいな私が恥ずかしくて、そして現在進行形の佑真の行動にじわじわと顔が赤くなっていく。

甘い空気が流れているのが痛いほどわかった。彼から目が離せない。指の一本も動かないほど。

そんな空気を破るようにテーブルに置かれていた佑真のスマホが鳴る。

佑真は画面に目を配らせると、直ぐに持ち上げ電話に出た。


やっと離れた彼の指だけどそれでも頬に未だ残る熱があつい。


「はいはい、もしもし?」


軽い口調で応答した佑真とは裏腹に発信主に大声で怒鳴ったようで、佑真は一瞬にして耳からスマホを遠ざけた。


再び耳元に戻ったスマホに彼はそれはそれは軽々しい謝罪を吹き込んだ。全くもって悪気のないそれに口元が綻ぶ。


「えー?もう?早くない!?……うん、そんな本気じゃないんだから準備なんて……あーはいはい、わかったから。行けばいいんでしょ?!」


まだ電話口では話している最中のようだったが、佑真が一方的に言いきるとスマホをタップし電話を切ってしまった。
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