青い星を君に捧げる【零】
そんなこと口に出したらこの男が喜んじゃうから言ってあげないけど。残りのミルクティーを飲み干しながら思った。


メイド・執事カフェを出ると大柄な男の子が廊下に寄りかかって立っていた。暇そうにスマホをいじる指が止まり、じっと見ていた私に気づいたようだ。


見つめ返すと、何かに気づいたようでため息を吐きながら近づいてくる。


「遅いぞ、佑真。執行部の奴らがバックれたんじゃないかって焦ってた」


「いやー、ごめんごめん。やっぱり好きな人と一緒にいると時間も忘れちゃうよね」


後ろから会計を終えた佑真の声がした。そうか彼らが知り合いだったのか。とすると、この人は白虎の関係者なのだろうか。


「波瑠さん、紹介します。コイツは白虎副総長の敦」

どうやら予感は的中したらしい。絵に描いたような不良らしい身なりは、一見好青年に見える佑真とは対照的だった。


「敦、この子は波瑠さん。可愛いと思うけど俺の好きな人で絶賛アピール中だから手出しは厳禁で!!」


「お前が一生懸命引っ張り出していた女物の制服の使い道はこういうことだったのか」


「……初めまして、波瑠です」


挨拶を述べると予想外だ、とでも言うように表情が変化する。そんなに非常識そうな女に見えていたのか。
< 53 / 87 >

この作品をシェア

pagetop