青い星を君に捧げる【零】
「他、というと?」

「他に食ったことねぇやつとか、食いたいものとか。色々あんだろ」


言葉こそ乱暴なものの、私を気遣う姿勢に驚いた。見た目的にこういうお世話とか出来なそうなのに。

「じゃあ、これとこれも」

聞いたこともなければ見たこともない文字を2つほど指さす。窮屈そうに背中を曲げていた隣の彼はやっと腰を伸ばした。


「よし、全部回んぞ。迷子になんなよ姫さん」

姫さん?と尋ねようとしたが敦さんがそれは聞くなというように1歩踏み出し始めたので、質問する声は途切れた。


聞くと敦さんには年の離れた弟がいるみたいだった。面倒見の良さは、そこから来ているのかと納得した。

「アンタが初めてだ。佑真が俺に紹介した女は」

どこか心の奥がほんわりと暖かくなる。良かったと思ってしまった。


「飄々としてて何考えてんのか分からん奴だが、才色兼備でそこらの野郎は相手にならないほど強い。……数多の女たちが求めるアイツの隣を何故引き受けない?」


チュロスやチョコバナナなどをお互い両手に持ち、木陰のベンチに座った。初めて食べたチュロスは想像していたよりサクサクしていて美味しかった。

「だって私には彼の隣にいる資格はないもの」
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