青い星を君に捧げる【零】
𓂃◌𓈒𓐍
夜、突然当主様に呼ばれて本邸に赴く。着物に着替えなくていいと言われて浴衣のまま、当主様が待っている部屋に入った。
「失礼致します」
入室して頭を上げれば、側近たちはいなくて完全に当主様と二人っきり。
「朧月……お前、月橘と会っているんだってな」
その言葉に視界が揺れる。膝の上に置いた手が無意識のうちに力を入れて、爪を白くさせていた。
「……はい」
「月橘は本郷にとって重要な人物だ。金輪際関わることを禁止する。良いな!!」
これまでどんな命令にだって従ってきた。だけど頷くことができなかった。いつまでも動きを見せない私に当主様は痺れを切らして退出するよう再び怒鳴る。
「……失礼いたしました」
静かに襖を閉じる。近くに待機していた女中から預けていたスマホを受け取って本邸から出た。
百合の宮までの道の途中、私の足はゆっくりと歩みを止めた。ぎゅっとスマホを握りしめる。
「____ゆうま」
ポツリと彼の名前を呟いた。
“会いたい”気持ちがそれから一気に溢れて、私は浴衣を着ていることも忘れて走り出す。
会いたい、会いたい、会いたい。
ただその一心だった。
夜、突然当主様に呼ばれて本邸に赴く。着物に着替えなくていいと言われて浴衣のまま、当主様が待っている部屋に入った。
「失礼致します」
入室して頭を上げれば、側近たちはいなくて完全に当主様と二人っきり。
「朧月……お前、月橘と会っているんだってな」
その言葉に視界が揺れる。膝の上に置いた手が無意識のうちに力を入れて、爪を白くさせていた。
「……はい」
「月橘は本郷にとって重要な人物だ。金輪際関わることを禁止する。良いな!!」
これまでどんな命令にだって従ってきた。だけど頷くことができなかった。いつまでも動きを見せない私に当主様は痺れを切らして退出するよう再び怒鳴る。
「……失礼いたしました」
静かに襖を閉じる。近くに待機していた女中から預けていたスマホを受け取って本邸から出た。
百合の宮までの道の途中、私の足はゆっくりと歩みを止めた。ぎゅっとスマホを握りしめる。
「____ゆうま」
ポツリと彼の名前を呟いた。
“会いたい”気持ちがそれから一気に溢れて、私は浴衣を着ていることも忘れて走り出す。
会いたい、会いたい、会いたい。
ただその一心だった。