青い星を君に捧げる【零】
「俺、最近になって奇跡って信じた人に訪れるってこと実感したんだ。……出会ってくれてありがとう」


真剣に私を見る佑真に、止まったはずの涙が一粒こぼれた。きっと私は彼と出会うためにこれまで生きてきて、これからも生きてゆく。


「私の方こそ、佑真に出会えてよかった」


「俺はこれでも守るものが多いから今日みたいに波瑠が辛い時にそばに入れないことが多いかもしれない。……だけどどんな時もずっと想ってる」


これだけは忘れないでほしい、と再び歩き出した彼は言った。


それでも良かった。誰かの心の片隅に私がいさせてもらえることが。


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彼の住んでいるアパートは白虎の倉庫近くだった。バイクを置いた佑真が私の手をとって暗い階段を登る。近くにある温もりが嬉しくて手を少し握れば、彼はぎゅっと握り返してくれた。


「お、お邪魔します」


「ははっ!いらっしゃい」

おずおずと縮こまってリビングに入る私を彼は笑う。初めて誰かの家に上がるから緊張してるのに……。


暗い部屋に明かりが付けば、そこは彼らしい風景が広がっていた。

床と天井で固定されている高い本棚にはぎっしりと本が並べられている。横の棚には入りきらなかったのか積まれている本まである。
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