青い星を君に捧げる【零】
あわあわしていれば、撮影開始〜♪と声がかけられる。どうすればいいの!!と隣にいた彼の方を見ようとした時、後ろからゆるりと抱きしめられる。


「そのまま、そうカメラ見て」


右耳にそう囁かれる。画面には頬を赤く染めて恥ずかしそうにしている私と、その姿を見て面白がって笑う彼が私の肩に顎を乗せているのが写っていた。


____3・2・1・カシャ


「ほんっとに可愛すぎ」


「えっ……きゃっ」


狭い部屋の中、次の撮影までの数十秒。佑真は自身の両腕に私を乗せるように抱き上げた。一気に目線は高くなり、彼が下から熱の篭った目で見つめる。


きゅっと胸の奥が鳴る。恋というものが、好きな人と両思いでいられることがこんなにも幸せなんて知らなかった。


小さな星を見つけるよりも難しいのに私を見つけてくれて、暗闇から連れ出してくれて……ありがとう。


祝福の、口づけを


シャッター音が鳴る数秒前、下から私を見上げる彼の額に唇を落とす。目を閉じる少し前に見えた佑真は驚いたのか目を見開いていた。


シャッター音が鳴って、唇を離す。


「……口にはくれないんですか?」


いたずらっ子のように笑いながら佑真は私を下ろすことなく言った。

その言葉に固まってしまった私を見かねて、彼は腕を下げて自らの唇に私を導いた。

ちゅっ、と小さく音が鳴る。シャッター音よりも小さいはずの音がその場を支配した。
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